こだわり



蕎麦の実

そばは、水とそば粉で作る単純な食べ物です。
しかしその実の使い方によって、風味が大きく変わってきます。
「美味しいそば」の定義は人によって様々です。
そば殻を除き、真ん中の白い部分だけを使った上品なそばを当店では「吟挽き」と読んでいます。
鬼皮まで一緒に挽いた田舎風そばを当店では「玄挽き」と読んでいます。
とう松では、この2種類のお蕎麦をご提供させていただいております。

吟挽き のどごしを楽しむそば

そばの産地である、福井県丸岡産の厳選されたそばの実を、殻を除いた(丸抜き)の状態で鮮度を保ちつつ風味を失わないように直送しております。少し薄緑かかったそばの実です。
新そばの時期は12月初旬ですが、特に数が限定されておりますので、1年中提供できる年もあれば、10月頃に一旦終了し、再度新そばまで入荷のない場合もあります。
とう松ではこのお蕎麦もあわせてお召し上がりください

玄挽き 香りを楽しむそば

新潟県境近くに位置する信州黒姫は、国内でも最高級のそばの産地です。
霧が多いことで知られており、この気候がそばの生産にとても良く、
「霧下(きりした)そば」と呼ばれています。
そのほとんどが流通経路が限られ、入手困難且つ、大変高級品です。
当店では親族の協力により、信州黒姫からそばの実「玄そば」と「挽き割り」を直送しておりますので、1年中安定してご提供することができます。
是非、とう松にお越しの際はこのお蕎麦をお召し上がりください。
また、新そばは11月初旬です。

石臼

そばの風味は 製粉時に熱が加わることによって低下します。また、製粉の方法によって風味や食感が低下します。
石臼は製粉するのに時間がかかりますが、熱が加わらないため味や香りの高い粉になります。
また石臼で挽いた粉は、細かい粉から粗い粉まで 粒度分布の幅が広く、バランス良くなります。
その粉を目の細かい網で振るい、タンパク質・脂質・ポリフェノールを含む栄養価の高いそばを作っております
とう松では2種類のそばを打つ為に、2つの石臼を使って挽いております。


蕎麦打ち

丁寧に挽いたそば粉を毎日打っております。そばは、「水回しが命」。
「こね3年、延し3ケ月、切り3日」と言われるように技術を要します。
そば粉には、グルテン(粘着力)が含まれていません。代わりに、水溶性蛋白である、グロブリン、アルブミンが含まれています。この粘着力は一時的です。そのため、乾燥や時間により蕎麦は切れやすいという特性があります。
故に、毎朝湿度や、気温によって水の量を変えることで最良の状態に保ち、そばを打っております。
「とう松」では、伊勢神宮に奉納される塩を作る際に出来る「にがり」が隠し味として入っております。

茹で方

茹で時間や茹で方によって仕上がりに大きく差が出ます。手早く且つ、やさしく茹でる。
そして冷水で締める。このように、茹でたてを最高の状態でご提供いたします。

そばつゆ

1.出汁=本枯節(ほんかれぶし)
本枯節を使用しております。本枯節とは、枯節の黴(かび)付けを3~4回以上行ったものをいいます。完成までに、荒節は1ケ月、枯節は数ヶ月に対して、本枯節は2年以上の長期熟成の物もあり、大変手間のかかった鰹節です。カビ付けにより脂肪分が減少し、香味・色沢が向上した極上の鰹節です。
2.かえし=厳選されたみりん、砂糖、醤油
厳選された みりん、砂糖、醤油を合わせ、当店独自の方法により店内の土たんぽの中に入れ、当店の土の中でゆっくりと寝かします。そうすることで、醤油の角が取れ、この手間がおいしい汁を作ります。
3.湯煎
1と2を合わせ1時間ほど湯煎してやっとそばつゆが出来上がります。
このように、厳選された材料を適切な方法で手間を加え、やっと「とう松」のそば汁が完成されます。

天ぷら油

天ぷら油は、太白胡麻油を100%使用しております。
太白胡麻油は、一般的な焙煎ごま油と違いほぼ透明で、ごま油独特の香りがしません。その理由は、ごまを煎らずに生のまま擦っている100%純粋のごま油だからです。ごま油の旨みが凝縮された、奥深い風味が素材の持ち味を引き立てます。
多くの高級天ぷら店などで採用されており、胃もたれのしにくい油を当店では100%使用しております。

器

京都やさがの作家さんや海外もの、リチャード・ジノリ、漆塗り物など、店主が気に入った器を自由に使っております。

天ぷらの器では、京都の荒木義隆さん、唐津の中川自然坊さんの器を使用しております。また、そば猪口では有田の正木春蔵さんの器を使用しています。
その他、九谷焼きや中国の景徳鎮で作成された器もじゃこ天などの単品物や、そば猪口などで使用しております。

酒器

酒器はちろりを主に使用しております。
錫(すず)でお燗をすると、お酒の味がまろやかになり、口当たりもなめらかになります。また、冷酒でも味が変化します。
ぜひ器もお楽しみください